日頃は当協会の運営にご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。昨年は、第3回の眼鏡作製職種の国家検定試験が実施されました。第3期生の眼鏡作製技能士の合格者は1,000名を超え、第1期から合わせて、眼鏡作製技能士が約9,000名となりました。
第1回から悩まされたコロナ禍は軽快しましたが、東京集中の傾向はさらに加速され、東京会場での実技試験は、1か月を超えるロングランとなりました。今後も検定委員などの人員確保が、ますます大きな課題となってきます。今年は、検定委員の横のつながりをさらに深めるとともに、持続的に検定委員が誇りとやりがいをもって取り組むための方策を現場の立場から考えていきたいと思います。
一方、一般社団法人 日本メガネ協会(日メ協)は、公益社団法人 日本眼鏡技術者協会(日技協)と連携しながら、その組織の構築がなされスタートしました。これからも、日メ協と日技協の両者の役割分担を明確にして、さらなる同じ目標に向かって眼鏡技術者の質の向上に繋げていきたいと思います。このように業界全体がワンチームとして、ひとつの目標に向け統一していくことが、眼科専門医、視能訓練士のカウンターパートナーとなり、生活者により良い眼鏡の提供にとって、大変重要なことであると考えます。
公益社団法人 日本眼科医会(日眼医)は、乳幼児から青少年期にいたる成長に大切な時期における眼の健康啓発活動や健康サポートをより充実させ、将来に向けて拡充していこうと様々な啓発活動をしております。また、人生100年の時代と言われるほど、健康で長生きする方が増え、生活をエンジョイするためには、眼病の早期発見・治療が大切なことであり、老眼などで相談に来られる患者に正しい情報の提供をしています。眼鏡技術者としてもお客様に気づきを促すことが、眼病の早期発見・治療のための大きな役割のひとつと考えます。
また、ある距離でしっかり見える単焦点に加え、そのライフスタイルに合わせた累進屈折力レンズの提案をわかりやすく行い、的確に選択することが欠かせなくなっています。累進屈折力レンズは、しっかりしたフィッティングとレイアウト設定により、はじめて機能が最大限に活かされます。こういった確かな知識と技術をもった眼鏡作製技能士が時代のニーズとなります。
さて、昨年の元旦能登半島地震に見舞われた能登半島北部は、9月の豪雨により再び大きな被害を受けました。大規模災害は、いつでもどこでも起こりうるものであり、平時からの備えが必要です。この面でも、日眼医と日メ協の協力体制がようやく何とか滑りだし始めました。
私たち日技協は、この協調体制の土台となる眼鏡作製技能士の国家検定を、公正公平かつ持続的に運営をより確固なものとなることに努めていきます。そのためには、まだまだ解決すべきたくさんの課題があり、多くの皆さまのご理解とご協力なくしては成し得ないものであることは、いうまでもありません。
眼鏡技術者の仕事は、いろいろな興味の尽きない、やりがいのある、100年人生時代やAIの時代にも大切な職業です。眼鏡技術者の仕事が、誇りをもつ職業となることが大きな目標です。まだまだ、長い道のりとなりますが、これに向かって一歩でも前進できる年になるよう祈念します。